2009年4月10日金曜日

インド 映画 スラムドッグ$ミリオネア Slumdog $ Millionaire

4/9(木)夜、スラムドッグ$ミリオネアの試写会に行ってきました。言わずと知れた、2009年アカデミー賞8部門受賞作品です。個人的満足度は、8/10

この映画、私は、正直見なくてもいいかな、と思っていました。なぜなら、世界の映画賞を総なめにしていたので、あらすじはよく知っていたから。けれど、あらすじを知っていても、十二分に楽しめる作品になっていました。日本でも来週末からロードショー公開されるので、是非見に行かれることをお勧めします。音響効果とパノラマが非常に効いている作品なので、劇場鑑賞向きです。

*あらすじ
(Wikiより引用)
インドの大都市ムンバイの中にある世界最大規模のスラム、ダーラーヴィー地区(en:Dharavi)で生まれ育った少年ジャマールは、テレビの人気クイズ番組『コウン・バネーガー・カロールパティ』("Kaun Banega Crorepati"、『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア』、日本で言う『クイズ$ミリオネア』のインド版)に出演する。そこでジャマールは数々の問題を正解していき、ついに最後の1問にまで到達した。しかし、無学であるはずの彼がクイズに勝ち進んでいったために、不正の疑いがかけられ、警察に連行されてしまう。そこで彼が語った、生い立ちとその背景とは…http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%B0$%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%8D%E3%82%A2
(引用終わり)

普通に旅行しているだけでは目に触れることのないスラムの暮らしがよく見れた。セットとして作られたスラムではなく、ムンバイの実際のスラムで撮影されているようです。子役たちも本物の住人。
非常にインドの映画・ボリウッドの手法がうまく取り入れられていて感心しました。たとえば、
・悪役がはっきり分かる形で登場し主人公を追い詰める
・男が女を命をかけて守る
・みんなで歌って踊って終わるラストシーン
・血なまぐさいようで決してグロテスクではない
・サクセスストーリーでハッピーエンド(観客が裏切られることはない)

それでいてボリウッド映画では不十分と思われる要素が西洋人作成スタッフの視点で上手に補完されていて、先進国の私たちが見ても飽きさせることがありません。
・ストーリーがあまりに単純でバラエティーがない→原作が素晴らしいのか、ストーリーが印象的
・全編踊って歌ってなのでメリハリがない→ ラストに集中的に持ってきているので邪魔に感じない 
・有名スターに脚光が当てられすぎ →司会者以外はほとんど無名では? 
・カメラワーク・音響効果に工夫がない(手間がかかってない)→ 文句なし。さすがトレインスポッティングのダニーボイル作。何度かのけぞったり、びくついたりしました。
・ロケ地が一か所とかスタジオ撮影が多い(金がかかっていない)→ムンバイのスラムのど真ん中、アグラ、電車のなかとかいろいろ
・タブーが多すぎる→インド映画だと描きにくいリアルな貧困・宗教対立・汚職・外人に対する窃盗などタブーが描かれている


* 印象に残ったシーン(ネタバレ注意)
・ ジャマルがxxxまみれ
実は、仕事の関係で遅刻して、初めの25分見逃しました。私が入場したときは、主人公ジャマルが糞尿まみれになってスターの写真を拾うところでした。いきなり強烈です。
・ イスラム教徒虐殺シーン
ヒンズー教徒らしき集団が棒きれをもってイスラム教徒でいっぱいのスラムに乗り込んできて、無差別に殺戮・放火・・・。ジャマルとサリームの母も撲殺されてしまう。まったくのフィクションなのでしょうか。それともモデルとなった暴動があるのでしょうか。あるとしたら何年頃?
・ 子供の目をつぶすシーン
ギャングのボスが集めて乞食をさせていた子供の中から、取りえがない子供(歌もうまくない、容姿もいまいち)の子供の目を潰す。障害を持っていた方が、多く喜捨を受け取れるから。
・ 盲目の乞食に100ドルあげるシーン
ラティカを助けるためムンバイのスラムに戻った兄弟。そこでジャマルは同じ年頃の少年が物乞いをしているのを見つけて立ち止まる。かつて、ギャングのボスに物乞いさせられていた時の仲間だったのだ。目をつぶされて盲目になっているかつての友達に、ジャマルは、アメリカ人観光客からもらった大金100ドルを喜捨する。
個人的には泣けるシーンがない映画でしたが、このシーンはちょっとジーンときました。
・サリームがラティカを逃がすシーン
なぜサリームがそういう気持ちになったのかがよく描かれていない気がして少し不満でした。
・キスシーン
やっと結ばれた二人。ムンバイの駅のホーム。ありきたりで物足りないエンディングでした。まあ、そのあとにダンス・歌のシーンが続くのでそちらがハイライトなのかもしれませんが。

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