2009年3月4日水曜日

英領ピトケアンPitcairn

* ピトケアン島
ピトケアンは南太平洋 絶海の孤島です。質問をいただいたので、少し書いておきます。写真もそのうちに・・・
イギリスが産業革命と植民地経営で大いに繁栄した18世紀後半、最重要の植民地であるアメリカが独立。アメリカから輸入した食糧でカリブ諸島のプランテーション労働者を賄っていたイギリスにとって食料の確保が急務となる。そこで着目したのがキャプテンクック航海誌で紹介された南太平洋のパンノキ。イギリス政府はタヒチにパンノキの苗木を確保するべく、船員を送るが、タヒチの夢のような生活に浸っていた船員は、英国に帰還することを拒否し、反乱を起こす。タヒチ人の妻らを乗せて当時無人島だったピトケアン島にたどりつき、生活を始めた。ピトケアン人は、タヒチの血が入った英国人反乱者の子孫たちなのだ。いったんは、全員がノーフォーク島に移住させられるも、一部家族がピトケアンに戻り、彼らの子孫約45人が暮らす。世界遺産のヘンダーソン島。航空便はもちろん定期客船もない絶海の孤島。めったにない機会なので、たまたま見つけたダイビングツアーに参加して渡航(私はペイパーダイバーだが)。このツアーのすごい点は、ピトケアン島のみならずピトケアン領内の孤島Oeno島、世界遺産であるHenderson島をも訪れる点。このツアーを逃したら2度と行けないかもしれないので無理して急遽参加。
マンガレバから南東に500km、ピトケアンは、他の離島同様「資金と時間が工面できれば」誰でも行くことはできます。
波が荒くて上陸困難な島・ロングボート・謀反者達の島・ホームステイ・島の存続が問われる強姦事件(村長を含むほとんどの成人男性が起訴)、島の乗り物Wheelbarrow/Quadbike・島の人々・電気・水道・インターネット事情、バウンティ以前のポリネシア遺跡、触れるガラパゴス亀、
http://en.wikipedia.org/wiki/Pitcairn
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%88%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%83%B3%E8%AB%B8%E5%B3%B6
http://www.lareau.org/pitcres.html 島民名簿
http://pitcairn.pn/ オフィシャルサイト 


*英領ピトケアンの行き方
1)公共交通機関
定期客船のようなものはありません。しかし、貨物船に乗るというオプションはあります。まず、ニュージーランド(英連邦?)の郵便船。聞くところによると、NZのオークランドと米ロサンゼルスを結ぶ間にピトケアンを通過するそうです。年2回以上。ピトケアンに派遣されているニュージーランドの医師などもこれを利用するそうです。島の女性とかつて結婚し、離婚した今も2年に一度島に通っているアメリカ人のD氏によると、ブラジル籍の貨物船だと、一日当たり100ドルとられ、チキータバナナの貨物船だと一日10ドルとられ、オランダ籍の船だと無料で乗せてもらえたそうです。いずれも南米からアジアへ向かう船だったということで、ピトケアンまで片道10日以上かかるかもしれません。ピトケアン島政府のHPがあるのですが、このあたりの情報はクチコミで島民に伝わるだけなのか、アップされていなかったし、メールを出しても返事は来ませんでした。こまめに電話して聞くしかなさそうです。

2)大型クルーズ船
大型クルーズ船の中にもピトケアンを通過するものがあります。私がピトケアン訪問時、クルーズ船情報は島の掲示板(小学校と図書館のある広場)に張り出されていましたが、月に1つくらいは通過するようでした。しかし、大型クルーズ船が停泊できるような港はピトケアンにはありません。クルーズ船の客はロングボートに乗り換え島に上陸、3時間程度島を見て、またロングボートでクルーズ船に戻るだけだそうです。はるばる南太平洋の孤島まで行っておきながら、島の生活に触れる機会がないのはもったいないですね。メリットとしては、日程やルートの確実性。大型クルーズ船であれば、嵐などの影響も受けることなく、予定通り航行することができるかもしれません。

3)中型船ツアー
中型船ではバウンティ・ベイ号が毎年4、5回ほどピトケアンを含む航海をしています。http://www.pacific-expeditions.com 私自身2006年7月にこれを利用しています。仏領ポリネシアのマンガレバ発で30万円くらいかかりました。同じ年の6月に、日本人の地質学者2名がこの船でピトケアンに渡航されたそうです。バウンティベイ号は普通にインターネット検索しても出てこないので、私もある方から教えてもらうまでは見つけられませんでした。
船は小さく古く、スピードは遅く、非常に良く揺れるのでお勧めはしませんが、ピトケアンにどうしても行かなければ行けない理由があるならば検討の余地ありです。
(補足)私達の船はオエノ島・ヘンダーソン島(世界遺産登録)というピトケアン諸島内の2つの無人島を経由していったので、ピトケアン本島に到着したのはマンガレバを出て10日後くらいだったと思います。私がピトケアンにいたときに、嵐がやって来そうだ、という情報が来ました。私を含め乗客7人(但し行きは6人)は、島の広場に召集され、決断を迫られました。1)嵐が過ぎるのを島で待つか2)嵐が来る前に出航するか。片道10日もかけてやってきたわけですからせめて予定通り4、5日間は島に滞在したかったですが、1)を選択すると、嵐が去って出航できるのは2週間先になるかもしれないということ。次に訪問する島国の予定が組んである私にはとりえない選択肢でした。2)嵐が来る前に島を出るとするならばその日しかない。乗客7人の挙手による投票の結果、5:2で選択2(その日のうちの出航)が決まりました。予定ではあと2泊ホームステイできる予定だったので、急なお別れはとても残念でしたがやむを得ません。

4)ヨットのチャーター
小型クルーザーをヒッチまたはチャーターして行く、という手もあります。ピトケアンに一番近い有人島はフレンチポリネシアのマンガレバ島です。バブル期に俳優の時任三郎がテレビ番組の収録でピトケアンに行ったときもマンガレバから船をチャーターしたようです。ヨットは頻繁にマンガレバ島にやってくるそうで、私がマンガレバに行ったときも、自らもヨットでやってきたけれど、ここで半年間暮らしながら、他人のヨットの修理や整備をして旅費を稼いでいるドイツ男とブラジル女のカップルが島に住んでいました。違法就労はお勧めしませんが、島で待機しながら、やってくるヨットマンに掛け合ってみてはいかがでしょう。 自分たちのヨットで旅しているような人たちは金も暇も十分にある人たちですので、ピトケアンの魅力を話して誘えば、ヒッチできるかもしれません。私は試していないし、保証はできませんが、最後の手段として検討してもよいでしょう。島の人にヨットを有料手配してもらうとしても、3人以上ならば、大型クルーズ船に乗るより安く済むかもしれません。

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